誤爆めぐり米国とパキスタンの主張に食い違い、亀裂深まる恐れ

(CNN) 北大西洋条約機構NATO)軍の誤爆によりパキスタンの兵士24人が死亡した問題で、米国とパキスタンの主張に食い違いが生じている。この問題をめぐって両国間の亀裂がさらに深まる恐れも出てきた。

国防総省は11月26日に起きた誤爆について、NATO軍の関係者約60人からの聞き取りに基づく調査報告を22日に発表。米軍の行動は、攻撃を受けて応戦した自衛のための措置だったと結論付けた。

調査責任者のスティーブン・クラーク准将によると、NATO軍がパキスタンとの国境に近いアフガニスタンの村に向かっていたところ、機関銃や迫撃砲による攻撃を受けた。これに対して司令官が「武力の誇示」を命じ、F15戦闘機と武装ヘリコプターを出動させて照明弾を発射、それでも攻撃が止まなかったため、空爆を実施したという。

これに対してパキスタン側は、先に攻撃されたのはパキスタン軍の方だったと主張している。同国の情報当局者は22日、「我々が先に攻撃したという主張は誤りだ。彼らが先に攻撃し、我々が応戦した」と語った。別の情報当局者も「(国防総省の)結論は、我々がこれまで米国とやり取りしてきた内容と矛盾する」としている。

クラーク准将は、情報の伝達ミスが原因で、交戦相手の確認に時間がかかったことも明らかにした。米国は空爆開始に先立ちパキスタンに、この地点に同国の兵士がいるかどうかを問い合わせた。これに対し「ノー。だが確認する」との返事が返ってきたが、「ノー」の部分しか伝わらなかったことから、空爆開始に至った。その後も位置確認などをめぐって食い違いが続いたという。